TP-90B可塑剤は相溶性の良い可塑剤であり、天然ゴム、SBR、クロロプレン、ニトリル、ウレタンゴム等の各種エラストマーに最大の低温屈曲性を与えるように製造されたものです。さらにTP-90B可塑剤は下記の特徴も備えています。
- 配合物に菌耐性を与えます。
- 可塑剤がプリーディングすることがなく、作業工程で容易に迅速に配合混練できます。
代表的な使用例
TP-90B可塑剤は、燃料油ホース、伝染被服、スポンジゴム製品、摩擦剤、各種のモールド及び押し出し成型製品に対して最適の低温屈曲性を得るために使用され好結果を収めています。これらは、適当な配合量でのみ使用され(ゴム製品の20~30重量%)またゴムの持つ特徴的な物性を大きく低下させることなく有効に可塑化性を発揮します。
可塑化力が非常に早く発揮されるため、TP-90B可塑剤は、少々スコーチしたゴム原料をも有効に可塑化させることができ、またこの際ほとんどゴム物性を損なうことがありません。
代表物性
化学組成 ポリエーテル
分子量 336
色調 ライトアンバー
比重 0.97
粘度(華氏71度、cps)
電気特性
体積固有抵抗 1.9×10の9乗
導電率 5.3
誘電体損 0.110
菌抵抗
米軍規格MIL-E-527C(ASG)その他の評価基準の試験によって得られた結果では、チオコールTP-90B可塑剤はクロロプレンゴム及びウレタンゴム配合剤に菌の成長、侵蝕に対する良好な抵抗性を与えます。
エラストマーとの相溶性
TP-90B可塑剤は配合物中によく分散し、下流による影響を受けることがなく、またゴム配合物の物性を損なうことがありません。またすべてのエラストマーにオールラウンドに良い可塑剤です。その相溶性はTable I に示す様に、NR,SBR,クロロプレン及びニトリルゴムには非常に高い値であり、またウレタン、EPT及びブチルゴムにはやや低い値です。
TP-90B最大量 phr. | |
---|---|
クロロプレン | 50 |
ニトリル | 50 |
NR | 40 |
SBR | 40 |
ウレタン | 25 |
EPT及びEPDM | 20 |
ブチル | 10 |
水性エマルジョン
TP-90B可塑剤は容易にゴムラテックス系に使用するための水性エマルジョンにすることができます。次に示す配合と製造手順によりTP-90B 30%水性エマルジョンを造ることができます。
配合
可塑剤相
TP-90B | 30pbw |
水相
水 | 48.0pbw |
Permasol Base | 0.7pbw |
Veegum | 1.3pbw |
5% Methcel/水溶液(15cps) | 20.0pbw |
混合手順
- Permasol Basa と Veegum を華氏100~110度(38~43℃)の水に溶解させる。
- 上記溶液にMethocel溶液を加える。
- TP-90B可塑剤と水相をWaring攪拌器で16,000回転/分 2分間混合する。
取り扱い上の注意
TP-90B可塑剤はacute oral toxicity LD 50 で1.8ml/㎏であり、皮膚に直接付着すると刺激を感じます。作業者がこの製品を取り扱う場合には保護服を着用することをお勧めします。皮膚が汚染されたときは、水で強く洗い流しさらに石鹸水で洗ってください。
発売元
中産業株式会社