モートン社(Morton International)の可塑剤TP-95は、耐寒、耐熱性のバランスの取れた可塑剤です。
ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタン(U)、
アクリルゴム(ACM、ANM)等と相溶性が良く各種機能部品ゴムに配合されます。
また食品と接触して「繰り返し使用されるゴム製品」として使用される材料として米国FDA認可を得ています。
TP-95は、各種エラストマーに最大の低温屈曲性を与えるように特別に製造された相溶性のよい可塑剤です。特に極高ニトリルをはじめとした各種にトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ポリサルファイドゴムに対して効果的です。
また、もうひとつの用途として、ビニル樹脂配合にも単独あるいは他の各種可塑剤とも一緒に使用することができます。TP-95可塑剤は低揮発性なので、広い温度領域でその有効性を保持します。さらに優れた可塑化性を持つ一方で、配合物の特性を大きく損なうことがありません。
代表特性
化学組成 ジェステル
分子量 435
色調 ライトアンバー
比重 1.02
粘度(華氏71度、cps) 15
各種エラストマーとの相溶性
TP-95可塑剤は配合物中によく分散し、加硫による影響を受けることがなく、またゴム配合物の物性を損なうことがありません。特ににトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ポリサルファイドゴムと良好な相溶性を有し、その他のエラストマーとはやや低い相溶性を持っています。
エラストマー | TP-95 可塑剤最大量phr |
---|---|
ニトリル | 50 |
ウレタン | 25+ |
アクリル | 25+ |
ポリサルファイド | 15 |
EPR及びEPDM | 15 |
クロロプレン | 10 |
天然ゴム | 10 |
SBR | 10 |
ブチル | 5 |
合成樹脂との相溶性
TP-95可塑剤は、下記の表に示すように多くの種類のビニル及びセルロース樹脂と相溶し、各種の用途に対する配合において低温性能を改善するために効果的に使用できます。
樹脂 | 樹脂に対するTP-95の割合 | ||
1:1 |
1:4 |
1:9 |
|
酢酸セルロース | I | I | I |
アセチルプロピスセルロース | C | C | C |
アセチルブチルセルロース | I | PC | PC |
ニトロセルロース | C | C | C |
エチルセルロース | C | C | C |
塩化ゴム | C | C | C |
ポリビニルブチラール | C | C | C |
酢酸ビニル樹脂 | C | C | C |
酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体 | PC | C | C |
(凡例)I: 相溶性なし、C: 相溶、 PC: 不完全に相溶
FDA認可
TP-95可塑剤は食品と接触して「繰り返し使用可能なゴム製品」として使用される認可された材料としてリストアップされています。(Federal Register, Section 121.2562, Subpart F – Food Additives -(Ⅳ) – Plasticizers )
総使用量はゴム製品の30重量%を越さないようにします。TP-95可塑剤は「食品に繰り返し接触するゴム製品」に適用されるSection 121.2562 に記載されており、さらに下記のとおり、繰り返し食品に接触して使用されるゴム製品としての使用法が明らかにされています
121.2514(b)(3) | Resinous and Polymeric Coatings |
121.2550(b)(3) | Closures with Sealing Gaslets for Food Containers |
121.2571(b)(2)(page 66.2 – reference to 121.2514) | Components of paper and paperboard in contact with dry food |
”Food Additive Regulation” のコピーは下記から入手可能です。
FDA, U.S. Depertment of Health, Education and Welfare, Washington, D.C.20201
クロロプレンゴムに特に使用される姉妹品TP-90Bもございます。
発売元
中産業株式会社